片道2時間。





ふうん、と呟いた西野くんは、私に視線を向けた。




「お前からやればいいじゃん」



「できるならやってるし」




そう言って、私は携帯を取り出す。




「ばっかだな、お前」



「うっ………」




見せた場所は未送信ボックス。





「あっちもお前からメール待ってたらどうするんだよ」



「前澤はメールとかあんまりしない人なんだよ…」



「それ信じてずっと待ってんの?ほんとバカだな、意気地なし」




「うるさい、怖いんだもん!」




「それが遠距離中かよ、そんなん言ってたらそのうちあっち忘れるからな」





…私が一番恐れていること。



メールを送れない原因。