「はいはい、もう帰った帰った」




保健室の先生に追い出され、廊下に出る私達。



会話も生まれず、そのまま教室に向かう。



沈黙がきつかったのか、由佳はポツリと言い出した。





「佐野くんさ、県外の医学部に進むっていってたじゃん」



「…うん」



「私はそんなとこ目指せないから、地元に残るんだけど」



「…うん」



「…これって、遠距離恋愛になるのかな」






私は由佳を見る。





由佳は私を見なかった。