「ちょっと、前澤…」 「いいからついてきて」 彼の掴む左腕が、とても熱くて。 私は何とも言えなかった。 「…ここ、」 連れてこられたのは、忘れもしない場所。 人がいなくて、でも花火がよく見える特等席。 私たちが初めて、唇を重ねた場所。