片道2時間。







「ちょっと、前澤…」




「いいからついてきて」






彼の掴む左腕が、とても熱くて。




私は何とも言えなかった。





「…ここ、」










連れてこられたのは、忘れもしない場所。



人がいなくて、でも花火がよく見える特等席。







私たちが初めて、唇を重ねた場所。