「…夏、か」 蝉の声を聞いて、鳴海がつぶやく。 今その瞳には、何が映っているんだろう。 「鳴海、花火大会行こうか」 「え?」 「八月にあるだろ、行く人決まってるならいいけど」 鳴海は一瞬顔をゆがませて…。 泣きそうな笑顔を見せてくれた。