片道2時間。







「前澤、なんて言ってた?」




「聞いてない、すぐ逃げちゃった」





また、鳴海の瞳から雫が落ちる。




それを拭いたくても、拭えない。






「…どうしたら忘れられるんだろう、どうしたら気持ちがなくなるんだろう」









「消したくても消せないよ」







まさに俺。


好きなんて気持ちがなくなって、ただの“友達”になれればいいのに。