ベッドから上半身だけを起き上がらせて、泣き出した有紗ちゃん。




「…有紗?」






「私、伊織くんがいないと生きていけない」


「……」


「ずっと好きだったの、忘れられなかった」


「……っ」


「お願い、返して。私伊織くんがいればそれだけでいいの」







顔を覆い、泣き崩れる有紗ちゃん。



有紗ちゃんに駆け寄り、慰める前澤。






「もうとっくに別れてる」




「え?」