二人の世界に入っちゃった。 「佐野、すごい」 隣の西野くんが言う。 佐野くんを見つめて、ぼんやりしていた。 「俺、夢がないから。あんな風に堂々と言えるのってすごい」 佐野くんを見つめるその目は、どこかさみしそうで。 「私もまだ夢も目標も決めてない。だから西野くんと一緒」 あせっているのは、私も同じ。 「見つけていこ」