片道2時間。




二人の世界に入っちゃった。




「佐野、すごい」




隣の西野くんが言う。



佐野くんを見つめて、ぼんやりしていた。




「俺、夢がないから。あんな風に堂々と言えるのってすごい」





佐野くんを見つめるその目は、どこかさみしそうで。





「私もまだ夢も目標も決めてない。だから西野くんと一緒」






あせっているのは、私も同じ。





「見つけていこ」