片道2時間。





「中学の頃にね、同じクラスになって」



「うん」



「たくさん喋りかけてくれて、その時に見せてくれる笑顔に惹かれた」



「うん」



「結局告白できないまま高校受験をむかえて」



「…うん」



「でも受験会場に前澤がいたの」




「…ん」



「合格して入学して」



「……」



「中学の頃からずっと好きだったって言われた」





あの時は何も言えなくて呆然としたままだった。



顔を真っ赤にして、瞳を潤ませてる前澤。



口を大きく開けて立っている私。




目を閉じれば、映画のワンシーンのように映し出される。