やだ、やだ離れて行かないで。 嫌いなわけないでしょ。 こんなにも前澤のことを思って泣けるのに。 大嫌い、だなんて嘘だよ。 「…………」 目を見開いたまま無言になった前澤。 掴まれていた手が、自由になる。 冬の空気があたって、冷たいよ。