片道2時間。






やだ、やだ離れて行かないで。




嫌いなわけないでしょ。



こんなにも前澤のことを思って泣けるのに。






大嫌い、だなんて嘘だよ。








「…………」






目を見開いたまま無言になった前澤。





掴まれていた手が、自由になる。






冬の空気があたって、冷たいよ。