片道2時間。





涙をこらえて前澤を見ると、前澤は唇をかみしめて俯いていた。





「俺だってやだよ」




…前澤。





「ずっと好きだった子が、やっと俺の彼女になってくれたんだ。

どうしたって手放したくない。ずっと隣にいたい」






少し赤らんだ顔で、前澤は私を見つめた。





「…鳴海のこと、好きだから」







…その言葉で、不安が薄れていく。