涙をこらえて前澤を見ると、前澤は唇をかみしめて俯いていた。 「俺だってやだよ」 …前澤。 「ずっと好きだった子が、やっと俺の彼女になってくれたんだ。 どうしたって手放したくない。ずっと隣にいたい」 少し赤らんだ顔で、前澤は私を見つめた。 「…鳴海のこと、好きだから」 …その言葉で、不安が薄れていく。