片道2時間。





はじめての温度。




はじめて、前澤に抱きしめられた。





前澤の体は冷たくなっていて、私は温めるようにぎゅっと抱きしめ返した。





「ごめん、俺別れたくないよ。遠距離はきっとすごく辛いと思う。鳴海にも我慢ばっかりさせちゃうと思う」




前澤の体は震えていた。




声も、鼻声。




寒いのか、泣いているのかわからない。