"なに"というのは、
アタシの額に洋が自分の額をくっつけている状態。
距離が近過ぎて、洋の吐息がアタシの顔にかかってくすぐったい。
自分でも顔が熱くなるのがわかる。
「っ阿保か!熱なんかないし!」
恥ずかしくなって、思いっ切り洋を突き飛ばす。
「…熱がないなら何で倒れたんだよ」
アタシに突き飛ばされて、少しよろめいた洋が
近くにあった椅子にドカッと腰を下ろしてそう尋ねてくる。
「それは…っ、アンタがあんな事してくるから寝不足で………あ、」
そこまで言ってはっとする。
…これ、「意識してます」って言ってるようなもんじゃん…。
チラッと洋を盗み見ると……
口の端をぐっとあげて、ニヤリと微笑んでいる。