「ねーねー、洋介くーん。今日暇??」


「アタシ達と遊びに行かなーい??」




ぴーぴーぎゃーぎゃー。


今日もこだまする女子達の悲鳴のような声。



うるさい。耳障り。迷惑。



アタシはその日常に、不満を覚えていた。




諸悪の根元はアイツ。



この1年3組の王子様?
あれ、アイドルだっけ?


…とか言われてる


アタシーー平井菜央の過去に忘れ去った男。



いや、この言い方じゃ勘違いされるか……



一様…幼なじみである、田口洋介。
一様、だからね!!



あんなチャラ男と幼なじみとか願い下げだし。




…まぁ、最初からあんなだったわけじゃないけど……


昔はもっと………




「なーおーちゃんっ♪」




机に肩肘を付いて、窓の外を眺めながら


いかにも青春って感じで悩み事をしていると


ふいに誰かに名前を呼ばれる。