アイツが風呂に入っている間、


リビングのソファーに寝転がって考えごとをする。



考えているのはもちろん、アイツのことーー


俺の幼なじみ、平井菜央。




菜央とは家が隣同士で、毎日一緒にいた。



朝登校するのも一緒。
帰るのも一緒。



そして毎日一緒にいる内に、俺はいつの間にか…


アイツを好きになっていた。




でも…、高校に入ってから


アイツは変わってしまった。




地毛の黒髪を茶色に染め、耳にはピアスを開け


薄くだけどメイクもするようになった。



それだけなら普通に聞こえるかもしれないけど、


普通じゃないのは、毎日色んな男と遊ぶようになったこと。



そして、俺をあからさまに避けるようになった。