「……ユイト、警察っ!警察呼ぶから、ママのケータイ持ってきて!」 俺は慌てて家に戻った。 隣の家でなにが起こっているのか、その時の俺 にはわからなかった。 分からないけれど。 でも、それでも。 今、この瞬間が、誰かにとってはすごく恐ろしい瞬間なんだって、それだけは分かった。 そして、その誰かが、俺たちの身近にいる人だっていうことも。 母さんが警察を呼んでいる間、俺はじっと扉を 見つめていた。 ……保護された女の子は、体中傷だらけだった 。