最後の夏 ~十年の想い~



「……ユイト、警察っ!警察呼ぶから、ママのケータイ持ってきて!」


俺は慌てて家に戻った。


隣の家でなにが起こっているのか、その時の俺
にはわからなかった。


分からないけれど。


でも、それでも。


今、この瞬間が、誰かにとってはすごく恐ろしい瞬間なんだって、それだけは分かった。


そして、その誰かが、俺たちの身近にいる人だっていうことも。


母さんが警察を呼んでいる間、俺はじっと扉を
見つめていた。


……保護された女の子は、体中傷だらけだった