最後の夏 ~十年の想い~



*アイラside*


サッと目を逸らされてしまって、少しだけ傷つ
いた。


昨日、先生から聞いた名前。


「……飯野くん、だよ」


それを聞いて、正直期待していた。


私の大切な人と、同じ名前だったから。


おかげで、昨日の夜もろくに寝られなくて。


でも、今。


私の目に見えるところに、アイツがいる。


間違いない。アイツだ……


胸がギュッと苦しくなる。


話したい。もっと近くで声を聞きたい。


例え彼が、私を覚えていないとしても、


それでもいいから。


もう一度、名前を呼んでほしい……