君の一番になりたくて

「あれ、ハル。」
「おう、おはよ、ユキ。」
「どうしたの?なんか嬉しそうだね。」
「ん、秘密。」
「ケーチ。」
「はいはい。」
ちぇっと肩を竦めるユキ。
「あ、そーだ。」
ポンッと胸の前で手を叩いたユキに視線を向けると、
「今日って暇?
今日久々に部活ないんだよね。」とユキ。
「いや、今日は玲のお見舞い・・・。」
言ってしまってから口をふさぐ俺。
しまった、と思うが時すでに遅し。
「俺も行く!」
「・・・はぁ。」
コイツも連れて行くことになりました。


「あ、糸野も来るから。」
「え、千恵ちゃん?」
「そーそー、お前の後輩。」
「いつ仲良くなったの、ハル。」
「さっき保健室で会った。」
「・・・ふーん。」
そう言いながら視線をそらすユキ。
その頬は微妙に染まっていた。
「・・・思春期だな、ユキ。」
「は!?」
「は?!って、お前、
糸野が好きなんだろ?」
探るようにそういうと、
うっと息詰まったユキは、
コクッと無言で首を縦に振った。


「ハルだって、玲ちゃん好きでしょ!」
「は?!どっからそうなった。」
「え?つきあってないの?」
「つきあってねーよ。」
「・・・奥手なタイプだったのか。」
「信じられないみたいな目するの止めろ。」
息子を見守る母親みたいな目をするユキに、
思わず蹴りを入れる。
「お互い頑張ろうな!」
動じなかったユキがそういって、
そそくさと自分の席に戻って行った。


「はー・・・。」
ため息交じりに机に突っ伏す。
少し首を曲げて窓の外を見ると、
そこには一本の飛行機雲が見えた。