すると三成様は、私の声に気づいたのか、ゆっくりと眼を開いた。


「…愛。目が覚めたか」

「はい。…あの、ご迷惑をおかけしました」

私はペこりと頭を下げた。

「いや、別に構わん。お前になにかあったら大変だからな」

「…ありがとうございます、三成様」


三成様…。
私、こんなに迷惑かけてるのに許してくれるんだ…。


「体調は大丈夫なのか?あのとき、急に頭痛が襲ってきたのか」

「は、はい。体調はもう大丈夫です。
あのときは、『家族』と聞いた瞬間に突然頭が痛くなってきて…」


そうだ。私、あのとき家族って聞いて頭痛が…

…家族?


「そうか。……愛、もしかして、家族と何かあったのか」

「…え」

「そうだったら、悪かった。すまない」


三成様は、私に頭を下げた。

すごく、悲しい顔で。