「故郷って……肥前に、ってことですか?」

「そうだ。それともお前には故郷がいくつもあるのか?」

「い、いや!まさか」


びっくりしたぁ……。私が未来から来たこと知ってるのかと思った。

…って、そんなわけないよね。


「あ、えと、帰りたい…ような、ここにいたいような…」

「…どっちなのだ?お前は、家族のもとに帰りたくはないのか?」

「家族の…もと」


ズキン、と私の頭が痛んだ。


「かなりの長旅なのだろう?もう帰った方がよいのではないか?
きっとお前の家族も待っているはずだ」


ズキズキン。また、痛んだ。

痛い。ヤバい、超痛い。

息が荒くなってく。