「………えっ?」


突然、声をかけられ、ボーッとしていたせいか反応に遅れた。



「立石?やっけ?学区違ったよな?」


知らない男子が楽しそうに話しかけてきた。


知らないのは当たり前だけど、警戒してしまう。



「俺、澤田公樹(コウキ)。立石はもう部活何入るか決めた?」


「…いや、部活やる気ないから」


「なんで?サッカー興味ない?サッカー部一緒に入ろうや!」


目をキラキラ輝かせながら見つめてくるが、俺は本当に部活に入る気は全くなかった。



「遠慮しとく。違う人誘って」


「えー…なんでやねん。また気変わったら言ってやー」


ガクッと肩を落としながら澤田くんは友達のところに戻っていた。



「…部活か」


部活ってやって意味あるのかな…。



あれから…そんなに長く生きられないと分かってから、俺は全てのことにやる気を失ってしまっていた。