次の日、癌病棟へと重たい足取りで向かった。



「すみません。直江春翔くんってどこの病室ですか?」


ドキドキしながらナースステーションで尋ねるが、予想外の言葉が返ってきた 。



「直江春翔くん?春翔くんならもう退院して、今は入院していないわよ?」


「…えっ?退院したんですか?いつ?」


「んー…先週だったかな?元気な姿で退院していったわよ?」


ニコッと優しく微笑む看護師さんに、「もう大丈夫なんですか?」と恐る恐る尋ねる。



「そうね。それより君は春翔くんとはどんな関係なのかな?」


「あ、えっと…友達です!えっと、それじゃあ失礼します」


ペコッと慌てて頭を下げると、自分の病室へと急ぎ足で戻った。




ハルくん、退院してたんだ―…


病気治ったのかな?


それなら嬉しい。