家を出ようと、ドアノブに手をかけた。




俺は突然別れ話を切り出した。



限界だった。



まだ愛情があるうちに別れようと思った。





あんなに好きだったから・・・


奪ってでも、手に入れたい女だったから。




だから、嫌いになるのも、嫌いになられるのも嫌だった。




「由香・・・俺たち、もうだめかもな。別れるか・・・」




何も答えない由香は、黙って寝室に戻り、ドアを閉めた。



俺も呼び止めることなく、家を出た。




由香と一緒に選んで買ったコートを手に持ち、階段を駆け下りる。



終わったのか、俺と由香の恋は・・・