『初めまして。情報システム部の玉巻と言います。』 『どうも初めまして。秘書課の枝松です。たままきさんのお名前の漢字はどう書きますか?』 『ボールの玉に、ロールの巻くって漢字です。わかる?』 俺は自分の名前を説明するときいつもこう言っていた。 特に笑われたこともなかったので普通に言ったのに、その時、彼女は大笑いをした。 その相手が、今の彼女、枝松由香だった。 電話でも好印象だった由香が、あの憧れの女性だったと知り、俺は迷うことなくアタックした。