「相談乗りますよ。寂しいんだったら、いつでも私を呼んでください」 男心をわかっている彼女は、胸元の開いたシャツに、色気たっぷりのリップグロスで俺を酔わせた。 でも、色気や、美しさでどんなに俺を誘惑しても、心が動くことはない。 俺は、酔った振りをしている羽鳥さんの肩を抱いて、店から駅まで歩いた。 寂しくないと言えば嘘になる。 体が温もりを求めていることも事実だけど。 駅までの間に、俺の中で葛藤が続く。