月のうさぎ~寒がりな天使~




俺が昨日の話題を避けていたのに、わざわざ有希子からそんなことを言い出した。



重そうに段ボールを持って、エレベーターに乗り込む後ろ姿を見つめていた。



どこからか『行けよ!後悔するぞ』と声が聞こえた気がした。



俺は、閉まりかけたエレベーターに乗り込んだ。


5時に会社を出る人はあまりいない為、狭い空間に2人きりだった。




11階から1階まで、数分間・・・



「有希子・・・俺のこと好きになった?」



俺は段ボールを持ち、顔を背ける有希子に言った。



「話しかけないで!!こっち見ないで!」




有希子は俺に背中を向けて、大声で言った。