月のうさぎ~寒がりな天使~




翌日、有希子はマスク姿で俺の職場へ現れた。



「や~い!マスクマン!!」



俺は無理して明るく振舞った。


有希子を失いたくなかった。


有希子に避けられるくらいなら、いくらでも友達を演じよう。



今日は、赤い時計をしていた。


綺麗に塗られたマニキュア、ピアス、髪型・・・



どれもが、制服とは不釣合いだったが、有希子らしかった。




「マスクウーマンだもん!」



小声でそう言って有希子はニヤっと笑ってくれた。




「あ!高橋!この荷物もお願い!」



荒海部長に呼ばれ、大きめの段ボールを手に持って、有希子へ渡す。



「重くない?下まで持っていこうか?」



「大丈夫。台車あるから。それに、一緒にエレベーター乗ったら好きになっちゃうから嫌!」