花の名は、ダリア


え?

ソレ、なんのつもり?

柱に抱きついて。
足を踏ん張って。
額に汗を滲ませて…


「っグアァァァァァ!!」


大声で叫んだカシラが、直径50㎝はあろうかという仏殿の柱をベアロックでへし折った。


「アアアァァァ…
殺してやるゥゥゥ 喰ってやるゥゥゥ
俺が神になってやるゥゥゥ!!」


喚きながら、もぎ取った柱を片腕でブンブン振り回すその姿、本気でスマヌ師匠じゃねェか。

天井板の一部と、瓦が降ってくる。
折られた柱とまだ頑張って立っている柱が激突するたび、仏殿が大きく揺れる。

危ねェにも程だろ、コレ。


「ダリア、二人でヤりましょう。」


泣きっぱなしで始末に負えなくなった女たちをなんとか立たせ、逃がそうと悪戦苦闘しているダリアに、ソージは囁いた。


「ダメよ、ソージは」


「わかってます。
貴方が俺の助けなんて必要としていないことも。
俺の限界が迫っていることも。
それでも…
この瞬間だけ、俺を貴方の隣に並び立たせちゃもらえませんかね?」


ダリアはソージの瞳の中に、眩いほどの光を見た。

生命の、最期の輝きを見た。