喋るの?この可愛い唇。
キスをねだって開いたワケじゃなかったの?

てか、え?ナニ?

残念なお知らせ???


「サムが言ってたの。
『使徒の国』は、まだ世界中にあるそうよ。」


「は…
はぁ!?」


恋人と交わすピロートークには相応しくない声が、俺の口を衝いて出た。

でも、コレはしょーがない。

あの、電波を飛ばしまくる自己啓発セミナー、他にもあンの?

しかも、世界中に幾つもあンの?

ソレってつまり…


「その世界中にある施設で、『穢れし者』が飼われてるかも知れないってコトですか?」


「そうね。」


「餌をくれるヤツがいなくなって、腹を減らして暴れ狂うかも知れないってコトですか?」


「そうね。」


「ソイツらを、また始末して回ンなきゃなンないってコトですか…」


「そうなるわねェ…」


「…
あー、もう…
ンだよ、クソが…」