花の名は、ダリア


シャワーを浴びて。

アチコチを物色して見つけたタオルで、濡れた身体を拭いて。

ドライヤーで髪を乾かして。

いつものように艶やかなポニーテールが揺れる頃には、もう世界が動き出す時刻。

洗濯物がたなびき、チビッコがランドセルを背負い、通勤電車が混みあう時刻。

そんな日々の営みとは切り離された、別次元の時の流れの中で。

二人、キャっキャと笑い合いながら、カーテンを引っぺがす。

ダリアがソージにそれを被せて。
ソージがダリアをそれに巻き込んで。


「愛してますよ。
俺の、ダリア。」


「知ってるわ。」


「傍にいますよ。
俺だけが、永遠に。」


「うふふ。
知ってるわ。」


変態マントに隠れ、触れるだけの初々しい口づけと微笑みを交わす。

ソージは唇に狂気を乗せて。
ダリアは唇に狂信を乗せて。

このまま共にいられるならば、他に求めるものはない。

歪んでるだとか。
病んでるだとか。

人になんと思われようとも、それは確かに…


『innocent love』