まさか
バカな
あり得ない
否定的な文字が、サムの脳裏を駆け巡る。
だが、脱出不可能なはずの檻が真っ二つに斬られているこの光景は、夢ではない。
早く次の手を…
「待て…
っ!?」
サムが次の手を打つ暇はなかった。
ソージの次の刃が、もう目の前に迫っていたから。
殺気を放つ瞳孔の開いた目が、迫っていたから…
一陣の風が吹き抜け、サムの首が胴体から離れて落ちた。
『問答無用で殺しにかかる』って予想、やっぱ的中したネ。
首を失くしたサムの身体は、否応なく床に崩れ落ちるが…
「君、本当に人の話を聞かないな!!」
生首のほうは、実に元気に喚いた。
そして、コロリと転がって向きを変え、ソージを睨み上げる。
「イベント会場に、飢えた『穢れし者』を乱入させる手筈になっているンだよ!」
「…え?」
部屋の隅から上がった、頼りなげな声。
避難していたダリアが、両手で口元を覆って青ざめていた。



