冗談めかして切り出してみたが、ソコはもう、予想通り。
『ノエル』はサムの提案を、ものの見事に一蹴した。
『ノエル』の協力が…
『ノエル』の、その奇跡の血がなければ、同種を生み出すことは出来ないのに…
それでも。
どうしても。
『ノエル』の悲しみを癒してやりたい…
サムは『ノエル』の傍を離れた。
『ノエル』の、真の望みを叶えるために。
自らの手で、同種を生み出すために。
世界中のあらゆる場所で知識を広げ。
世界中のあらゆる場所で実験を行い。
世界中のあらゆる場所で過ちを犯し…
何一つ、後悔はしていない。
全ては『ノエル』のためなのだから。
孤独に震える愛しい人が、笑って暮らせる世界を作るためなのだから‥‥‥
「でもね、やっぱり上手くいかなかったよ。
僕一人の力じゃ、『ノエル』の望みは…
…
あれ?
ねェ、聞いてる?」
リモートスイッチを弄びながら、遠い目をして語っていたサムは、我に返って瞬きした。
だって透明な檻の中のソージは、いつの間にか肘を立てた右手を枕に寝そべっていて。
しかも、左手の小指で耳をホジってたりして…



