…
はぁぁぁぁぁ???
『お願い』だぁぁぁぁぁ???
眉を吊り上げたソージが、サムに向かってビっと人差し指を突き出す。
「拒否できない状況に追い込んどいて、『お願い』とか言う?
おまえのほうが、よっぽど性格悪ィじゃねェか。」
「ソレも勘違いだから。
僕は温厚な性格だから。
僕は、僕の身の安全を確保しただけだよ。」
「身の安全?」
「そう。
だって君、こうでもしなきゃ、問答無用で僕を殺しにかかるだろう?」
あー… うん。
その予想も的を射ている。
だが、今のサムの『お願い』に、有無を言わさぬ強制力があるコトに変わりはない。
「お願いっていうのはね。
『ノエル』のコトなンだ。」
サムは、その強制力の象徴であるリモートスイッチを手離すことなく、露骨に嫌な顔をするソージの返事も待たずに語り始めた。
『ノエル』に捧げた、今までの日々を。
『ノエル』の不死は、血の病。
それが間違いであることは、サムが研究を始めてわりとすぐにわかった。
なぜなら、『ノエル』には繁殖能力がないと判明したから。



