花の名は、ダリア


正面にある格子付きの小さな窓からは、人が出られるとは思えない。

更衣室でよく見るタイプのスチールロッカーが並ぶだけの部屋には、隠れる場所があるとは思えない。

いや、まさか…


(ロッカーの中、とか?)


ソージは骨ばった手で、緩みそうなる口元を覆った。

いやいや、だって…

自らロッカーINしちゃう、宇宙人に会いたい電波サンとか…
どんだけフリキレてンの。

いやいやいや、でも…

ロッカーの中に隠し通路があるとか?

って、忍者屋敷かよ。

堪えきれずに肩を細かく震わせながら、ソージは一番手前のロッカーを開けた。

うん、空っぽ。

じゃ、その次…と、ソージは奥に向かってロッカーを開けていく。


「ダリア。」


「なぁに?」


「ココ、忍者屋敷チックな仕掛けがあるかも知れませんよ。
とりあえずナニも触らないで」


ポチっ


「え?」


「え?」