「…
舐めました?」


茫然とソージは訊ねた。


「舐めた。」


平然と女は答えた。
唇についた血を指で拭って、さらにその指を舐めながら。


「…
舐めました?」


もう一度、ソージは訊ねた。


「うん、舐めた。
ぅわ、ほんと病気だ。
もう長くないのね。」


また平然と女は答えた。
軽く眉根を寄せ、口をムニュムニュ動かしながら。

ナニ味わっちゃってンの?

てか、ナンデ舐めちゃったの?

感染してしまった…

これ以上ないほど浮き出た喉仏を、ソージは大きく上下させた。


「俺の薄汚い体液が…
貴方の美しい唇どころか、清らかな体内まで犯したなんて…」


「うん… え?ん?体液?
言い回しがちょっと…?
それはそうと、罪悪感なんていらないからね。」


「罪悪感?
とんでもない。
眩暈がするほどの性的興奮を覚えます。」


「…
あー…
アナタ、意外とアレな人なのね…」