アウトローがウジャウジャ湧いていそうな路地裏で、若く美しい女がホームレスライフ。

ソレでナニも起こらないほど、世の中は平和じゃない。

俺はダリアの細い肩を掴み、ガクガク揺さぶった。


「ナニやってンですか!
危ないでしょう!?
刺されでもしたら…」


「平気よ。
私、死なないもの。」


「持ち物を盗られでもしたら…」


「平気よ。
また盗ればいいもの。」


「犯されでもしたら…」


「平気よ。
気が向かなければ、眠らせればいいもの。」


「気が向いたらヤってたンかいィィィ!!??」


あー、もぅ…

『身体はコドモ、頭脳はオトナ』の真逆を突っ走ってるよ。

腹が立ってしょうがない。


「行きますよっ。」


俺はダリアの手を強く引いて歩き出した。

えー、なんて口を尖らせながらも、彼女は素直に着いてくる。

チクショー…
そんな顔してても可愛いな。

その唇、いったいどれくらいのクズたちに食わせてきたの。