……――――


(ん…?どこ?ここ。)





『雪ちゃんっ!!!!』



『あ、…――くん』



『雪ちゃん、大好きだよっ!!!!
雪ちゃんは僕の事好き?』




『うんっ!!雪ちゃんも…―くん
の事大好きだよっ!!!!』




『えへへ。僕たちずっと一緒っ♪』




『ねーっ♪ずーっと一緒っ♪』






………――――







あぁ…。


何か、懐かしい夢…。





「…な…きな…」





隣にいるのは誰だろう…。




「…ゆ…な…」




あの子の名前は…何だろう…。







「雪菜っ!!…ゆっ…雪菜っ…!!」







(明るい…。)





目を開けると、そこには私の名前を
必死に呼ぶ、ママとパパ。


涙を流してる、由香と皐月。


そして、背の高い男の人がいた。







「ママ…パパ…。」




「雪菜ぁっ!!!!!!」





ママは泣きながら、私に
抱き付いてきた。





「雪菜。あなた、3日も目を覚まさな
かったのよ。お医者様も少し諦めて
いたの。…頑張ったわね…。」





私の頭を優しく撫でてくれる
ママはとても温かかった。





「「雪菜…。よかった…。」」





声を揃えてそう言った由香と皐月
は私に飛び付いてきた。






そうか。

そうだった。



私、事故にあったのか…。






やっと自分の今の立場を理解し、
抱き付いてきた由香と皐月を
抱き締め返す。






「あのね、拓也さんはずっと…ずっと
雪菜が目を覚ますまで、雪菜の傍に
いてくれてたんだよ。」



「そうなの。よかったね、雪菜…!!」






(拓也さん…?…2人は何を言ってるの?)






「誰…?…拓也さんって……。」






きっと、2人のお友達か何かかな?

2人は友達たくさんいるし。






「雪菜…何言ってるの?
拓也さん…ちょっと…冗談は…」



「雪菜…ほら。拓也さんだよ?」





「ほら。」と、由香が指差した
方向には、1人の男の人が。






誰…?
私…この人知らない。


でも、何でだろ…。

この人を見ると、あの夢が
何かちらつくの。



とても懐かしい気持ちになる。






「雪菜…。俺が誰だか分かるか…?」



「…?…あなたとは、今日が
初対面のはず何だけど……。」






私がそう言った瞬間、パパとママは
走って、どこかへ行ってしまった。



由香と皐月も2人の後を追って
この病室から出て行ってしまい、
私は、拓也さんと言う人と
2人きりになってしまった。






「雪菜…。」






(私は、知らないのに、何で
拓也さんは私を知ってるのかな?)


とにかくそこが疑問だった。






「本当に…俺の事知らない?」




「…うん…知らない。」




「そっか…。」と言って立ち上がった
拓也さんは、





「俺、雪菜の事信じてっから。
俺の所へ戻って来てくれるって。
……じゃな、雪菜…。」





そう言って、拓也さんも
この病室から出て行った。







(何だろう…私、何か忘れてる…?)




何か…忘れてる気がする…。



あの拓也さんって人…。

知らないのに、知ってる気がする…。


何なの?この変な感じ…。