見てくる女性をもう気にせず、
たっくんと楽しく通学路を歩いている
と、校門へと繋がる横断歩道で
由香ちゃんと皐月ちゃんに会った。
2人は私たちを見ると気まずそうに
していて。
青信号を待っているとき、2人が同時に
「「あ、あのっ!!」」
私たちに話しかけた。
今日の皐月ちゃんはたっくんだけじゃ
なく私もしっかり見ていたから、
だから直感で、私は、聞かなければ
いけない。そんな風に思った。
私たちは何も言わないけど、
由香ちゃんと皐月ちゃんを無視しないで
見てる事で、2人は話を聞いてくれる
と思ったみたいで。
「あの…、前に今藤さん家に行ったと
き…、拓也さんに酷いことして
ごめんなさい。それに今藤さんの事も
傷付けて本当にごめんなさい…。」
「うちも。多分…いや、絶対由香よりも
うちの方が、凄く最低な事してた…。
あのときは、ただ拓也さんがかっこよ
くて、うちらのものになって欲しい
それだけだったんだ…。
けど、もうこんな事2度としないから…
だから、うちらの事許してもらえない
かな?お願い。」
許す…許さない…か。
あの2人の目を見てると、本気で
私たちに謝ってんだなって分かる。
だから、
「いいよ。許すよ。
たっくんいいよね?」
「…あぁ…。」
それを聞いた由香ちゃんと皐月ちゃん
は、さっきよりも全然明るい顔を
していて。
そして、その2人が言った言葉が
私にとっては、信じがたい言葉だった。
「これで、もううちら、
本物の友達だねっ♪」
「ねっ♪友達っ!!!」
(え…?)
友達…?
うそ…。
これは夢?…嘘じゃなくて本物の…。
ずっと…ずっと…ずっと…!!…
欲しかった、
“友達”
が、出来たんだ。
「ありがとう…ありがと…」
気付けば、私は泣いていて。
きっと、これは嬉し涙。
たっくんは、この涙の意味を
ちゃんと理解している見たいで、
あえて、私の事は抱き締めなかった。
「なーに泣いてんのっ!!うちらもう
友達じゃんっ…!!雪菜っ…!」
「そうだよ。私たち友達何だから。
由香、皐月って呼んでよね?雪菜。」
そう言いながら、私を抱き締めてくれる
2人は、私と同じで泣いていて。
きっと、2人も嬉しいんだと思った。
あの2人の心からの一言が、
鍵のかけられた心の扉を開けてくれた。
(心から…嬉しい…!!)
「ゆ、由香…。皐月…。」
「「うん。何?」」
「友達…って…いいね…。
嬉しい…ありがと…あり…がと…。」
「「うん…!!」」
2人が優しく背中を撫でてくれる。
その感じが、ママともたっくんとも
違う感じ…。
今までに味わった事のない感じ…。
きっとこれが…、
“友達が出来る”
って感覚…。
私と由香と皐月が泣き止むと、
たっくんは優しい笑顔で私たちを
見ていた。
「遅刻すんぞ。ほら、行くぞ。」
たっくんの一言で私たちは
ちょうど青信号になった
横断歩道を渡った。



