執事に愛されお嬢様





「雪菜ってさ、ホント髪綺麗だよな。」



「えへっ。ほんと?ありがと。」




正直、たっくんの目を見て言いたかった
けど、たっくんにブラッシングして
もらってるからそれは出来ない。



てか、今何時だろ…。




「ねぇね。今何時?」とちょこっと
後ろを向くと、たっくんと目があった。



私は、目が合うと微笑む癖があって、
その癖で、たっくんに微笑むと、





「雪菜、これ以上はまずい。前向いてて
くんねぇ?理性保てなくなっから。」




「…へ?」





一瞬たっくんの言った言葉が理解
出来なくて、変な声を出してしまった。



あぁ、言うって事は、私にドキドキ
してくれたのかな?



えへへ。何か嬉しいかも。



もっと…ドキドキして欲しいな…。




そんな感情が、顔に出ていたのか、



「雪菜、誘ってんの?」



「ち、ちがっ…!!」



「違くねぇだろ?顔に出るから雪菜は
分かりやすいんだよ。」





「だから、変わりに…、」とたっくん
が言ったとき、唇に柔らかい感触
が伝わってきた。





「これで、我慢な。」





(キス…。されたんだ…。)





ボフッと頭が沸騰した私は、
思わず、キスされた自分の唇に
指を添えていた。



いつもより、強引に、でも優しく…
たっくんは私に噛みついてきた。



あの、少しだけ不意打ちっぽい
感じが私をドキドキさせた。





(いちいち…ドキドキする。)





今日のたっくんはいつもより意地悪だ。

けどね、1つ1つ私にしてくる
事に、好きだよって感情が混ざってる
感じがするんだ。



するって言うか、伝わってくる…。







「あ、おい。雪菜、時間やべぇから
早く朝食食べに行くぞ。ほら。」





フリーズしてる私の手を握って
たっくんは私を引っ張る。


我に返り、時計を見ると、
6時15分を指していた。



6時半には出ないと、間に合わなくなる。


私も焦りを覚え、たっくんと
急いで、部屋を出た。