次の日の朝。



朝が弱い私はバッチリと
目が覚めていた。


その上、焦っていた。




その焦りの原因はと言うと…、




それは、昨日あった出来事。



…―――





『『お帰りなさいませ。
奥様、旦那樣。』』





階下から聞こえてきたメイド達の声。



私は、たっくんと仲直りもでき、授業で
やった分からない所を教えて
もらっていた。




『パパとママが旅行から
帰ってきたんだね。下に降りよ?』




『そうだな。行くか。』







たっくんと下まで降りると、
ママが私に抱きついてきた。



『雪菜ぁ~ただいま。
ごめんね、急に旅行だなんて。』



『全然大丈夫だよっ!!それに、たっく…
じゃなくて荒澤君もいたからっ!!』



『ならいいわ。荒澤君ありがとねぇ。
無理しちゃダメよ?風邪引いちゃう。』






ママは心配性だなぁ…。
と思った時、ママが思い出したように
こんな事を口にした。





『あっ!!雪菜っ!!突然で悪いんだけど、
明日ね、パーティーしようと思うの。
荒澤財閥の社長さんとその奥様が
来るパーティーよ。

良かったら、雪菜のお友達も
誘って来てちょうだいねっ!!!!』




『えぇ…?!』






荒澤財閥の社長とその奥様だなんて…。


荒澤財閥何て、1番有名な財閥じゃん…。
て言うか、何でそんな有名な財閥と
パパとママは繋がってんの…?

まずそこが疑問何だけど…。





て言うか、そんな大事なパーティーに
友達連れてくなんて…。

その前に、私友達が…いません。あは。






『たっくーん…。荒澤財閥の社長
何て緊張するよぉ…。』



『ん?…あ?…あぁ。そうだな。』





たっくんは私の頭を撫でながら
そう答えてたけど、態度がいつもより
変だなって思った。









……――――






という事だ。




「誰誘おうかな…。」





誘わないと、ママにパパが
心配しそうだし…。


かと言って、皐月ちゃんと由香ちゃん
を誘うのは…。ちょっと…。






(あ…。)




皐月ちゃんと由香ちゃんで思い出した
けど、今日は、昨日のお返しをしよう
と思ってたんだよね…。



お返し方法は決まってるんだよねぇ。
面白くなりそうかも。




髪の毛をポニーテールにしながら
そんな事を考えていると、たっくん
が部屋に入ってきた。






「はよ。…って何ニヤついてんの?」



「おはよう。んーあのね、実は、昨日
の皐月ちゃんと由香ちゃんのやり方が
気に入らなかったから、今日の朝
お返ししてあげようと思って。」




「お前こっわ。技はぜってぇ
使うなよ。」






(あ、技か…その手があった…。)



でも、流石にまずいから
昨日と同じような事してあげよう
かなって今考えてるんだよね。






「程々にしろよ。あと今日は
パーティーだから、友達誘っとけな。」




「あ、…うん。分かってる。」






(はぁ…。)





今日は、滅茶苦茶疲れそう…。