……―――私が部屋に駆け込むと、部屋
は真っ暗で、今の自分の心の中のような
感じだと思った。




「もう、嫌だよぉ…。」




フラつきながらに行ったベッドに
寝転がり、私はすぐに布団を被った。




さっきの出来事が頭から離れず、
数分私は悲しみに浸っていた。



また、涙が溢れて来たとき、
部屋の扉が開かれた。



足音は、どんどんベッドへと
近づいてくる。


真横に人の気配を感じたとき




「雪菜…。」




(たっくん…か…。)




たっくんは、ベッドに腰かけた
ようで、ベッドの軋む音がした。




「雪菜。俺の話を聞け。」


「イヤだ。絶対聞かない。」






こんなやり取りを5分弱
行ったとき、




「いい加減にしろ!!!雪菜!!!」




たっくんの初めて聞く怒声に
体がビクッと反応する。


気がつけば、私は、布団から
出て、たっくんと向き合っていた。




「雪菜。何か言うのは、まずは
俺の話を聞いてからにしろ。いいな?」



「うん…。」





そして、たっくんは
私が御手洗いから帰ってきて
応接室に入ってくるまでの間に
何があったかを話し出した。






「最初から何か引っ掛かってたんだ。

あの2人の態度とか…。

雪菜が御手洗いに行ったとき、
急に応接室にある本棚にしまってある
本を取ってほしいっつーから、
仕方なく取ってやろうと
本に手を伸ばしたら、急にあの2人
が俺に抱きついてきたんだ。


そんしたら、俺バランス崩してさ、
倒れそうになったとき、いくらあの
2人が嫌でも怪我させんのは防ぎたくて


んで、あぁゆう体勢に成り行きで
なって、んで雪菜が入ってきた。」





「え…。」




全部…あの2人の仕業だったの…?


たっくんは、ただ守ろうと…。
たっくんは、変な所で完璧主義だなぁ。




(でも…。気になる事が…、)




「さ、皐月ちゃんが、たっくんに
聞いてた、私の事どう思ってる
ってやつ…。あれ…どう思ってるの?」




そう聞くと、たっくんは、
意地悪く笑って勢いよく
私を抱き締めてくれた。




「大好きだよ。めっちゃ大好き。」




(そっか…。大好きなんだ…。)





気づけば私も抱き締め返していて、



「誤解してごめんね。

私もたっくんがすっごく大好き。」







仲直りも出来ていた。



仲直りの証拠に、たっくんは、
私の唇にキスをした。




良かった。
仲直りができた。


それ以上に想いも深まった
かなと思った。