執事に愛されお嬢様




家に入ると、迎えてくれたメイドさん
達の声が玄関ホールに響く。



「今藤さんって…凄いんだね…。」

「こんな家に住めたら凄く良いだろう
なぁ~。…拓也さんもいるし…。」




由香ちゃんはメイドさん達や
家の華やかすぎる雰囲気に
唖然としている様子。


皐月ちゃんは、無い物ねだり
をしている。最後のボソッと呟いた
言葉は分からなかったけど…。





2人がメイドさん達に応接室
へ案内されたとき、私はやっと
呼吸と言う呼吸が出来た気がした。


ずっとそわそわしていて
ずっと固まってたから…。






「雪菜。ちょっと聞いていいか?

あの2人…本当に家に遊びに
来るのが目的なのか?」




(うっ…)




たっくん鋭いからな…。

勘づいてる…。


でも、ここで失敗したくない…。





「う、うん!!そうだよ!!」






必死にそう答える私を見て
分かってくれたたっくんだけど
やっぱり何か引っ掛かる見たいだった。




たっくんと私で応接室へ行くと、
2人はメイドさん達が運んできた
洋菓子と紅茶を楽しんでいるようだった。





私とたっくんは2人と迎え会わせ
になる形で座ろうとしたら、皐月ちゃん
によってそれは阻止された。



「えぇ~、拓也さぁーんわぁ、
こっちに座ってよぉ♪」



そう言って、椅子から立ち上がった
皐月ちゃんはたっくんの手を
引っ張って、無理矢理2人の間に
座らされた。





(我慢…我慢…我慢…。)





心の中で必死で言い聞かせる。




「拓也さぁん、はい、あ~ん。」





(え…。)





て言うか、今凄いことになってる。
たっくんに“あーん”何て流石に
カチンと来ちゃうけど、何より、
私達の席の場所がおかしい。



だって、たっくんは2人の間に
強制連行されて、向かい合って
座ってる状態なのは私だけ。






(てか、たっくんてば、あ~んとか
されて、普通に食べちゃってるし。)




嫌々食べてるけど…。





とにかく、皐月ちゃんと由香ちゃんの
アピールっぷりが凄まじい。




(はぁ…。これ以上見てられない。)







「ご、ごめんなさい。少し
御手洗い行ってくるね。」



「あっそうなの?行ってらっしゃーい♪」




私に満面の笑みを向けて手を振る皐月
ちゃんは一瞬何か企んでそうな
笑顔を見せたけど、気づいたら
さっきと同じ満面の笑みに戻っていた。





たっくんは、少し心配そうな
顔をしていた。