学校につくと、
いつもと変わらぬたっくんのお見送り。
私が「じゃぁね。」と言いかけた時
ある女子の声で遮られた。
「「今藤さぁーん!!」」
「あっ!!あの時の…!!」
それは、今日私の家に来る予定の
あの女子2人だった。
「もう、やだなぁ。今藤さんってば。
私は、由香(ゆか)。」
「うちは、皐月(さつき)。」
(由香ちゃんと皐月ちゃんかぁ…。)
名前を呼び合える何て。
すっごく嬉しい。
「それよりさっ!!この人!!
今藤さんっ!!かっこよくないっ?!」
そう言って、皐月ちゃんは
たっくんに抱き付いた。
その時、胸がズキンって
傷んだけど、皐月ちゃんはそんな
つもりないんだと気にしないでいた。
「そうだ!!たっくん!!この2人が
今日、家に来る子。」
「ふーん。」
少し試すような目をして
たっくんは2人を見た。
「もぅ。やだなぁ~、うちも
由香も今藤さんの友達っ♪」
きゃっきゃ騒いで、
皐月ちゃんはたっくんと腕を組む。
ひどく胸が傷むけど、
由香ちゃんや皐月ちゃんにとっては
スキンシップ何だよね…。
(我慢…我慢…我慢…。)
心の中で、そう繰り返して
嫉妬心をどうにか抑えた。
「へぇ!!拓也さんって言うんだぁ!!」
「ねぇ、拓也さぁん。拓也さんって
お料理とか出来るんですかぁ?」
たっくんは、いろいろと
話しかける2人に爽やかに
対応していて。
(ずるいよ…。)
抑えた嫉妬心がどんどん
溢れていく。
「すみません、お嬢様方。
もう校舎へお入りになられては?」
(あれま。たっくん
めんどくさがってる…。)
そんなたっくんを見て
少し気持ちが楽になった私は、
「じゃぁ、たっくん。
放課後お迎えよろしくね!!」
「おう。頑張れよ雪菜。」
「うん…!!」
2人を置いて、1人で校舎へ入る
のは、不自然だけど、今あの2人
といたら、私の心はズタボロになる。
なる前に、早く席につかないと…!!
「えぇ~、拓也さぁん…。」
「放課後はよろしくお願いしまぁす。」
等々、猫撫で声で話しかける
2人を背に私は小走りで階段をのぼった。



