「怒ってない、の?」
「は?何に怒るんだよ」
意味が分からないとばかりに愛音が顔を傾げる。
うそ…。
絶対怒ってると思ったのに。
愛音が怒っていないことにホッとしたのか、自然と涙が零れてきた。
「え、ちょっ……なんで泣くんだよ!?」
「だ、だってぇ……」
嫌われたかと思ったんだもん。
初めて、自分のこんな可愛らしくない男勝りな性格が嫌だと思ったんだ。
止まらない涙を拭っていると、体がふと温かくなって。
それと同時にふわりと優しくて爽やかな香水の香りに包まれた。
……え?
私、今……。
「なんで泣いてんのか知んねぇけど、怒ってるとかねぇから。だから、まぁ…泣くな」
愛音は私を抱きしめたまま頭をポンポンと撫でてくれる。
その仕草で余計にホッとして…。
「うぅー……」
「なんでさらに泣くんだよ」
愛音が悪いんだ。
そんなに優しく抱きしめて、頭撫でたりするから。



