「ただいま」 突然聞こえてきた声にハッと顔をあげると、制服のネクタイを緩めながらため息をつく愛音がいた。 いつの間に帰ってきたんだろう。 全然気づかなかった…。 「あ…おかえりなさい」 さっきの電話のこともあって、声が小さくなってしまう。 怒ってる…かな。 「真冬」 名前を呼ばれて、ビクッと体が震えた。 何言われるんだろう…。 拒絶の言葉? そんなことを考えていた。 でも 「どうした?何かあった?」 「!」 かけられた言葉は拒絶でも怒った声でもなく、私を心配する優しい声だった。