「別に、なんでもないよ」
び、びっくりしたー…。
「どうしたの?」
『あぁ、そうだ。俺仕事で遅くなるから、先帰ってろ』
そっか、社長だもんね。
「分かった。何時くらいに帰ってくる?」
『8時には帰る。帰りは荒木が迎えに行くはずだから』
「うん。頑張ってね」
通話を切って、携帯をポケットに入れる。
愛音、遅いんだ…。
じゃあ、私はラブラブなお義母さんとお義父さん達を前に、一人で耐え抜かなければならないのか…。
「なに?もしかして旦那?」
隣から玖美がわくわくした顔をして私の顔を覗き込んできた。
なんでそんなに目を輝かせてるのよ。
「…そうだけど」
「キャー!!ラブラブしやがってー!」
そう言って私の背中をバシバシと叩く。
痛い痛いっ!
痛いって!!
てか、今の電話のどこがラブラブなのよ!
ダメだ、今日の玖美ちょっと壊れてる。
頭のネジ飛んじゃってるよ。



