1時間くらいで会見は終わった。
会場を出てホッと息をついていると、
「真冬は休んでる暇はないわよー!さ、次はパーティー!」
「えぇええーー!?」
お義母さんとおばあちゃんに引っ張って行かれ、控え室に着くとすぐさま違うドレスに着替えさせられた。
今度はピンクのふわふわのドレスで、髪はおろして、前髪だけアップにし、少し編み込みを入れられた。
「かーわーいーいーっ!!」
「真冬、すごく似合ってますよ」
二人は興奮気味でついて行けない。
「愛音のものになるなんて、もったいない!私がもらいたいー!!」
そう言ってお義母さんは私をギューっと抱きしめる。
いやいや、もう結婚しちゃいましたから。
っていうか、自分の息子に結構な言いようだけど……。
愛音のあの性格って、絶対お義母さん譲りだよね。
「行こうか!皆さんが待ってるわ!」
慣れていないため、ドレスは歩きづらい。
会場の外までお義母さんの手を借りて歩いた。
入り口のドアの前で待っていた愛音の元に行くと、愛音は私を見て固まってしまった。
「あ、愛音?どうしたの?」
ハッと我に返ったと思ったら、
「ヤバイだろ……」
って呟いて、そっぽを向いてしまった。
もしかして……。
「に、似合ってなかった!?」
「……は?」
きっと似合ってなかったんだ!
こんな可愛いピンクなドレス、私には似合うはずがなかったんだ。
やっぱり違うドレスにしてもらうべきだったな……。
「アホか!違ぇよ!」
え?
違う……?
見上げた愛音の顔は、赤かった。
え?え?
「逆だ。似合いすぎてヤバいって言ってんだよ」
「っ!」
おかしい。
おかしい。
絶対おかしい。
昨日初めて会った人に、私、どうして何度もドキドキしてるの?
昨日からずっと、愛音の言葉に、行動にドキドキし過ぎてる。
あんなに男の子なんて、興味なかったのに。
興味がなかったからこそ、初めてこんなに甘い言葉を囁かれて、ドキドキしているんだろうか。
「ほら、行くぞ」
「うん」
差し出された右手に、左手をそっと重ねる。
ドキドキが収まらないまま、会場に入った。



