会場に入ると、一斉にフラッシュが炊かれた。
ステージの中央まで歩いていき、二人でお辞儀をしたあと、用意されていた椅子に腰掛けた。
思った以上に沢山マスコミがいる。
な、なんかちょっと怖いっ……。
すると、膝に乗せていた左手がほわっと温かくなった。
ふと見ると、愛音の右手が私の手を優しく握ってくれていたんだ。
テーブルにはカバーがかけてあるから、向こう側からは見えてない。
ぽん、ぽん、と一定の感覚で私をあやすように、握った手を優しく叩いてくれる。
大丈夫、大丈夫って、言ってくれてるみたい。
横目で愛音を見ると、真っ直ぐ前を向いていて、その横顔は本当にかっこよかった。
いつもは意地悪ばかりで、口も悪いのに。
こうやってたまに見せる優しさにドキドキする。
ありがとう、愛音……。
私は握られた手を返し、愛音の手に指を絡ませて握った。……恋人つなぎだ。
私のその行動に少しビックリしたのか、愛音は一瞬私を見た。
ありがとう、という気持ちで愛音に笑いかけると、照れてしまったのか、また前を向いてしまった。
けれど、愛音が私の手をキュッと握り返してくれたから、嬉しかった。
ありがとうって気持ち、ちゃんと伝わったよね?
愛音が隣にいる。手を握ってくれている。
だからもう、大丈夫。
私は心を落ち着かせ、前を向いた。



