「愛音っ……た、助けっ……」
困ったように顔を歪ませた真冬がいた。
なんでアイツがここにいるんだ!?
俺は考えるよりも先に、男の中から真冬の腕を掴んで引っ張った。
そのまま追ってくる男子を振り切るように、少し先の曲がり角まで走る。
「た、助かった……」
はぁー、と息をつきながら、ふわりとした髪を耳にかけた真冬。
「お前、何でここにいるんだ?」
「お義母さんが迎えに行って、そのまま買い物して来なさいって……ほら、婚姻届も持ってきたよ」
真冬は鞄から婚姻届を取り出し、「ね?」と俺に見せた。
ね?じゃなくて……。
「お前、自分の外見分かってんのか?」
「え?何か変だった!?」
無自覚かよ……。
コイツ、絶対自分がモテるって分かってねぇぞ。
「愛音ー!」
ふと見ると、奏が息を切らしながら走ってきていた。
「置いてくなよー!ほら、これお前の鞄!」
「あ、悪ぃ」
いつの間にか鞄放り投げてきてたのか。



