門を入ると、 「お待ちしておりました、真冬様。さ、こちらへどうぞ」 一人のスーツを着た三十代くらいの男の人が、私の手からアタッシュケースを取って歩き出す。 「えっ、ちょ……」 どこ行くの!? 大きなドアの玄関を通って家の中に入ると、そこはもう豪邸。 天井にはシャンデリア。 階段は螺旋状。 目がチカチカするほど輝く家具。 ピカピカと綺麗に磨かれた、大理石の壁と床。 すごい……ホントにお城みたい。 ウチのボロボロな木で出来た建物なんかと比べものにならない。