将来はどうせ政略結婚だと思ってたけど、まさか一般の……しかも貧乏育ちの女と結婚するとは思わなかった。




まぁ、金持ちの偉ぶった女よりはマシだけど。






コンコンッとノックする音が聞こえて、返事をすると扉が開いて、執事の後藤が入ってきた。





「失礼します。おはようございます、愛音様」



「あぁ。おはよう」



「真冬様は……まだお休み中ですか。もう少しで奥様方がお帰りになられると連絡がありましたので、

食事の席に来られるようにと、旦那様が」





あー、もう帰ってくんのか。




ってことは……あの決まりごとを真冬に見せる気だな。




うっわー……。

絶対コイツ引くだろうな……。




毎日親で見慣れてる俺だって引いてんだから。





「分かった。すぐ行く」




執事が部屋を出て行った後、俺は真冬を起こす。